手術の次の日には、手術をした側の手の指を順に折り曲げなどを行います。そして2日目には、肘を伸ばした状態で、腕の肘から先を内側と外側に回転させる運動を行います。
3日目には、腕を下げた状態で肘から先を90度上げてL字型にし、その状態で肘を内側と外側に動かす動作を行います。さらに4日目には、手術をしなかった側の手で、もう片方の腕を支えながら前後左右に腕を動かします。また、5日目には、腰を90度曲げた状態で腕を下げ、左右にグルグルと腕を回す運動をします。
こうして1週間が過ぎると、腕や関節を積極的に動かすように、腕を前方に90度まで上げるような運動を行います。なお、体腔内に溜まった水分や血液、リンパ液などを排出する 細い管(ドレーン)を入れていた人は、それを抜いてから始めることになります。
具体的には、背筋を伸ばして立った状態で腰に手をやり、続いてその手を肩に乗せます。また、手を伸ばしたまま肩の高さまで上げて、肘を曲げないように意識しながら前で交差させます。なお、こうした運動は1セット5回ほどから始め、痛みを感じないようになったなら、徐々に20回程度まで増やしていきます(それを朝・昼・晩に行います)。
2週間目には、立ったまま肩に手を置いて、その状態で肘を水平にまで上げる他、肘を曲げ、前後に動かすなどの運動を行います。こうした運動は、血行が良くなっている入浴後などに行うと、より効果が期待できます。
手術後2日目から
仁尾 義則 氏
<乳腺外科医>
医療法人喜水会 乳腺外科 仁尾クリニック 院長