知っておきたい!対処方法
~乳がんのリハビリテーション~

具体的なリハビリテーションのやり方

リハビリテーションは日常生活を取り戻すのに必要不可欠

乳がんのリハビリテーション編

(2)リハビリテーションのやり方(その2)

手術の次の日には、手術をした側の手の指を順に折り曲げなどを行います。そして2日目には、肘を伸ばした状態で、腕の肘から先を内側と外側に回転させる運動を行います。

3日目には、腕を下げた状態で肘から先を90度上げてL字型にし、その状態で肘を内側と外側に動かす動作を行います。さらに4日目には、手術をしなかった側の手で、もう片方の腕を支えながら前後左右に腕を動かします。また、5日目には、腰を90度曲げた状態で腕を下げ、左右にグルグルと腕を回す運動をします。

こうして1週間が過ぎると、腕や関節を積極的に動かすように、腕を前方に90度まで上げるような運動を行います。なお、体腔内に溜まった水分や血液、リンパ液などを排出する 細い管(ドレーン)を入れていた人は、それを抜いてから始めることになります。

具体的には、背筋を伸ばして立った状態で腰に手をやり、続いてその手を肩に乗せます。また、手を伸ばしたまま肩の高さまで上げて、肘を曲げないように意識しながら前で交差させます。なお、こうした運動は1セット5回ほどから始め、痛みを感じないようになったなら、徐々に20回程度まで増やしていきます(それを朝・昼・晩に行います)。

2週間目には、立ったまま肩に手を置いて、その状態で肘を水平にまで上げる他、肘を曲げ、前後に動かすなどの運動を行います。こうした運動は、血行が良くなっている入浴後などに行うと、より効果が期待できます。

リハビリテーションの図

手術後2日目から

なお、少し動かせるようになったからといってリハビリテーションを止めてしまうと、また元の状態に戻ってしまう恐れがありますから、自分で勝手に判断して止めてはいけません。その他、掃除をしたり、身体を洗ったりといったような日常の動作を意識して手術した側の腕ですることもリハビリテーションになりますので、意識して行うようにしましょう。



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乳がんのリハビリテーション編
― 具体的なリハビリテーションのやり方―

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監修

仁尾 義則 氏

仁尾 義則 氏

<乳腺外科医>
医療法人喜水会 乳腺外科 仁尾クリニック 院長

昭和27年生まれ

1976年京都大学医学部卒業後、京都大学医学部第二外科入局。その後、赤穂市民病院外科、京都大学大学院を経て、UCLA留学。帰国後、京都大学第一外科助手、島根大学医学部第一外科助教授、児玉外科、十条リハビリテーション病院を経て、2008年4月より現職。2014年12月までに、約4400例の手術を行なう(乳腺疾患約2520例、甲状腺疾患約180例、消化器疾患約1350例、その他約370例)。