乳がんを外科手術によって摘出した後も注意が必要です。
具体的には、まず、手術直後、リンパ液が腋の下に溜まる場合があるということが挙げられます。退院して、ひどく液が溜まっているように感じた場合は、病院で液を抜いてもらうことが必要になります。なお、週に2~3回通院していれば、徐々に改善していくのが一般的です。
次に、手術では、がんとその周辺の部位を切除する関係で、がんの大小を問わず、どうしても多少は腕や肩が動きにくくなります。乳房切除術に比べて乳房温存手術は切除する部分が少ないため、普通は障害の程度も軽くすみますが、それでも運動障害や痛みが残ることは避けられません。そのためにも、手術直後からリハビリテーションを始める必要があります。なお、ほとんどの場合、根気よくリハビリテーションを続けていれば、障害を感じない程度に回復することが期待できます。
仁尾 義則 氏
<乳腺外科医>
医療法人喜水会 乳腺外科 仁尾クリニック 院長