知っておきたい!対処方法
~乳がんのリハビリテーション~

乳がんのリハビリテーション

リハビリテーションは日常生活を取り戻すのに必要不可欠

乳がんのリハビリテーション編

(2)乳がんの治療方法(その2)

現在の治療は、がんをはじめ基本的に、術後のQOL(quality of life)、いわゆる「生活の質」を維持することを重視して行われることが多くなっています。乳がんは、そのほとんどが女性に見られることもあり、女性としてのQOLを保つため、できるだけ乳房を温存することが大切であると考えられるようになっています。

実際、可能な限り「乳房部分切除術(乳房温存療法)」を行う医療機関は増えています。ちなみに、仁尾クリニックでは、患者の希望があれば、乳頭の浸潤が見られなければ、腫瘍の大きさや皮膚浸潤の有無を問わず温存手術を日帰りで行っています。これは、大きな乳がん(3㎝以上)では、術前療法(抗がん剤や内分泌療法)を行って日帰り手術で済む範囲で、がんを縮小させてから手術を行っていることに加え、周囲の人に自分ががんであることを知られたくない人などの立場を考慮しているからです。つまり、特に乳がんの場合、QOLを保つためには、がんを治すことはもちろんですが、本人はもちろん、その生活する環境の中で、まだまだ自分ががんであることを知られることで、職場での仕事に支障が出ることも少なくないからで、そうした生活環境におけるQOLを維持するためにも、入院を避ける方がいいということから、そうなったといいます。

なお、以前は乳房を温存することは手術後(予後)に悪い影響を与えるのではないかと考えられていました。しかし、多数の試験や調査の結果、乳房の全摘出と部分摘出の生存率には、ほとんど変わりがないことが証明されたため、ステージ0期からⅡ期までの手術では基本的に「乳房部分切除術(乳房温存療法)」が選択されるようになっています。

ちなみに、乳がん温存術の対象とされているのは、一般的にはがんの大きさが3cm以下で、かつ、がんがマンモグラフィーや超音波検査、MRIなどの画像検査で広がりがそれほどでない場合です。しかし、仁尾クリニックなど乳がん専門医療機関では、こうした条件に沿わない場合でも温存が可能な場合があるので、1つの診断結果で判断せず、セカンドオピニオンやサードオピニオンを利用して判断されるのがいいでしょう。



乳がんの治療の流れ図


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― 乳がんのリハビリテーション―

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監修

仁尾 義則 氏

仁尾 義則 氏

<乳腺外科医>
医療法人喜水会 乳腺外科 仁尾クリニック 院長

昭和27年生まれ

1976年京都大学医学部卒業後、京都大学医学部第二外科入局。その後、赤穂市民病院外科、京都大学大学院を経て、UCLA留学。帰国後、京都大学第一外科助手、島根大学医学部第一外科助教授、児玉外科、十条リハビリテーション病院を経て、2008年4月より現職。2014年12月までに、約4400例の手術を行なう(乳腺疾患約2520例、甲状腺疾患約180例、消化器疾患約1350例、その他約370例)。