知っておきたい!対処方法~脳卒中編~

脳卒中のリハビリテーション

脳卒中は、少しでも早く治療を受けると後遺症を軽くできるので、
救急搬送の大切さとリハビリテーションの重要さを知ってください。

(3)回復期のリハビリテーション(その②)

脳の左半球の言語を支配している言語野(主に右半球)に損傷があった時に、言語障害が多く起こることが分かっています。
ですので、必ずしも脳卒中になった人の全てに言語障害が出るとは限りませんが、ただ、思ったことを口にできなかったり、相手が言っていることが理解できなかったりすることは、相当なストレスになりますから、言語機能の回復は、非常に重要になります。

言語障害には、大きく「失語症」と「構音障害」の2種類があります。
「失語症」は、聞く・話す・読む・書くといった言語機能に障害が出るものです。一方、「構音障害」は、舌や唇、あごといった話すために必要な筋肉に障害が起こるもので、筋肉が正しい動かないため発音ができなくなります。 このように失語症と構音障害は異なるもののため、同じ言語障害ですが、リハビリテーションの方法もそれぞれ異なっています。手や足の場合と違い、特殊な訓練が必要なことから言語障害のリハビリテーションは、言語聴覚士という国家資格を持った専門家が行います。

なお失語症のリハビリテーションですが、発症してから2週間ぐらいまでが、最も回復に適しているといわれています。ですから、できるだけ早くから始められます。ただし、失語症のリハビリテーションはじっくりと行っていくことも大切なため、なかなか治らなくても焦らす根気よく続けていくこと大切です。一方、構音障害のリハビリテーションは、話をするための筋肉を使うトレーニングをすることで、機能の回復を図ります。

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池永 透

池永 透 氏

畷生会脳神経外科病院
脳神経外科 部長

昭和42年大阪生まれ
大阪医科大学卒業
大学卒業後、大阪の救急医療で知られる多根総合病院勤務などを経て、2年半前から現職。