知っておきたい!対処方法~ノルディック・ウォーク編~

リハビリテーションのやり方

ノルディック・ウォークはエクササイズとしての効果があることから、
今、全世界でブームになっています。

ノルディック・ウォーク編

(3)リハビリテーション・介護予防に何故いいのか(その2)

歩行訓練画像

高齢者の方などが、歩く時などに、よく使っているのを見かけるのが、支持する基底面が大きく、体重をかけても大丈夫な歩行補助=シルバーカーです。
籠になっているものや、バッグのようになっているものなど、いろいろと種類がありますが、基本的には機能は同じです。

それに対してノルディック・ウォークは、ストックの高さを左右で調整することで、優れた対称性を有し、肩甲帯の動きを促す適合機器です。力を推進力に変換させることができるため、シルバーカーのように、ただ身体を支えるのではなく、良好な姿勢での歩行を可能とします。

さらに、人は真っ直ぐに立っているつもりでも、ほとんどの人は左右のどちらかに傾いていて、その原因はいくつかありますが、その中には、股関節周囲筋が弱ったことで体幹のバランスが崩れている場合があります。
しかし、2本のストックを持つことで、股関節周囲筋をアシストすることができるようになり、その結果、左右方向のバランスが保てることができるため、真っ直ぐの姿勢で歩けるようになります。

そして、ストックは四足歩行を蘇らせます。
つまり、足と同様に手も推進力となるため、自然に歩幅は広くなり、歩くスピードも増し、無意識のうちに理想的なウォーキングができるようになります。
ただし、その際に、無理に推進力を得ようとして肩に力を入れると、逆に不自然な歩き方になるため、あくまでも自然な形でストックを動かすことが大切です。

リハビリテーションを担当する理学療法士(PT)は、機能回復の専門家です。確かに、膝なら膝、足首なら足首と、傷ついた箇所を元の機能に戻すことには長けていますが、全身を回復させたり、歩く機能そのものを回復させたりするわけではありません。
しかし、ノルディック・ウォークは、人が本来持っている歩く機能を回復させるものですから、その部分だけでなく、全身の機能を回復させることになるため、リハビリテーションとしても、非常に有効です。

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ノルディック・ウォーク編 ― リハビリテーションのやり方 ―

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監修

柳本 有二 氏

柳本 有二 氏

<医学博士>
神戸常盤大学
保健科学部
看護学科教授 

<略歴>
・東京学芸大学大学院
 教育学修士(1983年修了)
・名古屋大学医学研究科
 医学博士取得(1999年)
・東京学芸大学教育学部附属
 世田谷小学校教諭
・兵庫大学健康科学部教授
<専門分野>
運動生理学,健康科学,子供の健康づくり 他
<その他>
一般社団法人ウエルネスネットワーク理事
日本テレビ「世界一受けたい授業」出演等