知っておきたい!対処方法~変形性膝関節症編~

リハビリテーションのやり方

変形性膝関節症は、歩く際に膝に痛みを感じ、最悪の場合は歩行困難になることもある病気です。

変形性膝関節症編

(4)ストレッチのやり方

できるだけ階段の上り下りは避けましょう

最近では、運動をした後にやるストレッチの効果が言われています。
変形性膝関節症の運動療法も同じで、これまで紹介してきましたようなリハビリテーションをした後は、ストレッチも忘れずにするようにしてください。

そのストレッチですが、運動療法と同様にやり方はいろいろあります。それらの中のいくつかを紹介します。

足関節を対象としたストレッチとしては、座った状態で脚を前に投げ出して、膝を痛くならない程度に伸ばします。
そして足首をめいっぱい伸ばして5秒止め、その後、逆にゆっくりと最大限まで反らして最高点で再び5秒止めます。これを20回ほど繰り返してください。

膝を曲げる筋肉(これを「ハムストリングス」と言います)を対象としたストレッチは、やはり座った状態で、片方の脚は曲げて、もう片方の脚は伸ばし、背中を丸めないようしながら、身体をゆっくり前に曲げてください。
めいっぱいして10秒ほど止まり、ゆっくりと身体を起こします。
これを5~10回ずつ、脚を代えてやってください。

なお、ストレッチも行う部位の対象によってさまざまにありますので、理学療法士などに相談して、自分の症状に合ったものをするようにしてください。

膝の可動性と支持性を回復させるリハビリテーションは変形性膝関節症の治療だけでなく、予防法としても効果が大きいことから、ある程度の年齢になったなら、積極的に行うことをお勧めします。
ただし、やり過ぎは痛みを悪化させる原因になるため、運動後に痛みが続くような場合は運動量を減らすなど対応する必要があります。

誤ったリハビリテーションは、かえって状態を悪化させることになりかねませんから、運動は必ず医師や理学療法士の指導を受けてからするようにしてください。

<ポイント>
・膝の痛みが強いときは無理に歩こうとしない。
・膝に溜まっている水を抜くとクセになるというのは迷信。
・膝周りの筋力を鍛えることが最も大切。

(文:繁原稔弘)

変形性膝関節症編 ― 変形性膝関節症のリハビリテーション ―

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監修

中山 寛 氏

中山 寛 氏

兵庫医科大学  整形外科 助教

昭和52年生まれ

医学博士、日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本体育協会認定スポーツ医、専門はスポーツ整形外科、下肢関節鏡手術(股関節、膝関節、足関節)。