乳がんに限らず、現代のがん治療においては、手術など治療を行った後(術後)のリハビリテーションが大切だといわれるようになってきています。
がんのリハビリテーションの目的は、少しでも今までと変わらない生活を取り戻すことで、患者のQOLを回復することです。具体的には、患者の回復力を高めるために、残された能力を維持・向上させるリハビリテーションが中心となります。
特に乳がんにおいては、現在は、手術の範囲は小さくなっています。しかし、それでも、手術のためにがんが広がっている部分を取り除くため、手術の後、出血や神経損傷、感染、皮膚壊死、リンパ浮腫、肩の動きの制限などの症状が現れる場合があります。中でも、生活の支障がある腕のリンパ浮腫や肩の動きの制限を予防・改善するためにも、リハビリテーションは欠かせません。
仁尾 義則 氏
<乳腺外科医>
医療法人喜水会 乳腺外科 仁尾クリニック 院長