知っておきたい!対処方法~ノルディック・ウォーク編~

「ノルディック・ウォーク」は、姿勢や通常歩行を改善する

ノルディック・ウォークはエクササイズとしての効果があることから、
今、全世界でブームになっています。

ノルディック・ウォーク編

(3)姿勢や通常歩行を改善する(その1)

内臓画像

動物と人間の大きな違いは、動物は四足歩行であるのに対して、人間は二足歩行である点です。
この違いは、生物としての在り方も大きく変えてしまっています。
例えば、手が自由に使えるようになったことや脳が発達するきっかけになったことですが、実は、内臓の在り方も大きく変化させました。

動物は四足歩行ですから、一般的に内臓は、背中を貫いている背骨から下方に吊り下がる状態になっています。
しかし人間は直立していますから、そういうわけにはいきません。
そこで、骨盤を支えとして、骨や筋肉によって『あるべき位置』に納められるようになりしました。

正しい姿勢であれば、そうした内臓は、いろいろな力によって『あるべき場所』に正しく収まっているのですが、猫背やストレートネック、脊柱側湾症などになると、その位置からずれてしまいます。
正常な場所で無いところでは、内臓どうしがそれぞれを圧迫することになります。
その結果、例えば、肺であれば、本来吸収できる空気の量よりも少ない呼吸しかできなくなりますし、また腸などは、圧迫されることで便秘を引き起こしたりします。
こうしたことが重なると、やがて身体の健康を奪う原因となってしまうことになるわけです。

このように、望ましくない姿勢は、体調を崩しやすくしますし、さらに、歩行状態も悪くするため、腰や膝などの痛みを引き起こすことになり、日常生活に支障をきたす原因となります。

つまり、S字カーブは身体のバランスを調整する役割もしているため、どこか一部分のカーブでも崩れたなら、全身のバランスが崩れてしまうということになります。

こうしたことが起こるのも、生物が不思議なことに常に内側に曲がろうという習性があるからです。
それは、あたかもお腹の中にいる赤ちゃんの姿のようでもあります。そのため、年齢を重ねやりすると、再び内側に曲がろうとするわけです。
それを避けるためにも、私たちは、日頃から望ましい姿勢を、意識してとるようにする必要があるのです。

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監修

柳本 有二 氏

柳本 有二 氏

<医学博士>
神戸常盤大学
保健科学部
看護学科教授 

<略歴>
・東京学芸大学大学院
 教育学修士(1983年修了)
・名古屋大学医学研究科
 医学博士取得(1999年)
・東京学芸大学教育学部附属
 世田谷小学校教諭
・兵庫大学健康科学部教授
<専門分野>
運動生理学,健康科学,子供の健康づくり 他
<その他>
一般社団法人ウエルネスネットワーク理事
日本テレビ「世界一受けたい授業」出演等