知っておきたい!対処方法
~乳がんのリハビリテーション~

乳がんの正体と検査

リハビリテーションは日常生活を取り戻すのに必要不可欠

乳がんのリハビリテーション編

(1)乳がんとはどんな病気

見た目では分かりませんが、人間をはじめ動物の体内では、常に新しい細胞が生まれ、古くなった細胞と入れ替わっています。一般的に、新しく生まれる細胞は、その発生する場所に従って、例えば、皮膚なら皮膚、骨なら骨の細胞にしかならないようにコントロールされています。

こうした正しい細胞の発生を司っているのが「遺伝子」です。ところが、何らかの原因によって、遺伝子に傷が付いたりして、正しい細胞が生み出されなくなることがあります。そうして“間違って”生み出された細胞の中で、勝手にどんどん増殖していく異常な細胞が現れることがあります。それが、いわゆる「がん細胞」と言われるもので、正常な細胞をどんどん浸食していき、やがて大きな塊となります。

これが、通常「がん」と呼ばれるものであり、がんは急速に増殖する際に、正常な細胞の栄養を吸収したり、正常な細胞が果たすべき役割を阻害したりするため、命にかかわる症状を起こします。

そのがん細胞が乳房に発生したものが「乳がん」です。ただし乳房には、母乳を分泌する「乳腺」と、それを支える「脂肪」などの組織がありますが、実は乳がんは、乳腺からしか発生しません。

ちなみに、一般的に大人の女性の乳房は、乳頭を中心に乳腺が放射状に15~20個並んでいて、それら乳腺は小葉に分かれています。そして、その小葉は乳管という管で繋がっていて、乳がんの約9割はここから発生します(これを「乳管がん」といいます)。

乳がんの図
乳がんの特徴としては、発生や進展が、ホルモンと深く係っていること、また、増殖がゆっくりである点などが挙げられます。

なお、がんのかたまり(腫瘤)の大きさが2cm以下で、胸骨や肋骨、脊椎骨など(これを「胸壁」と呼びます)に固定されておらず、転移や転移の可能性があるリンパ節の腫れなどがない状態のものを「早期乳がん」と呼びます。



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監修

仁尾 義則 氏

仁尾 義則 氏

<乳腺外科医>
医療法人喜水会 乳腺外科 仁尾クリニック 院長

昭和27年生まれ

1976年京都大学医学部卒業後、京都大学医学部第二外科入局。その後、赤穂市民病院外科、京都大学大学院を経て、UCLA留学。帰国後、京都大学第一外科助手、島根大学医学部第一外科助教授、児玉外科、十条リハビリテーション病院を経て、2008年4月より現職。2014年12月までに、約4400例の手術を行なう(乳腺疾患約2520例、甲状腺疾患約180例、消化器疾患約1350例、その他約370例)。