知っておきたい!対処方法
~脳梗塞のリハビリテーション~

脳梗塞の治療法

新しいリハビリテーションにより機能の回復も期待できるように

脳梗塞のリハビリテーション編

(4)心のリハビリテーションも大事

不幸にして脳梗塞が起き、命は取り留めたものの何らかの後遺症が残った場合には、肉体的なリハビリテーションと同様に『心のリハビリテーション』を行うことも大切です。

実際、つい前日までなんら問題が無かった手や足、言語などに、麻痺やことばの障害などが起こるわけですから、誰でも、その不自由さを自覚するまでには時間がかかるのは当然です。まずは自分が、現在、どのような状態にあるのかを正確に理解して、それを少しでも改善するようにリハビリテーションに取り組めるように、心のケアをすることもリハビリテーションの1つだということを理解しましょう。

病気になった本人は、脳梗塞はもちろん、どんな病気であっても、再発の不安を抱えているため、そうした不安や心配によって、うつ状態になる場合もあります。もちろん、そうした状態になった場合は、専門家のカウンセリングや薬物療法などが必要になりますが、そうならないためにも、まず身体と同じくらいに心のリハビリテーションにも力を注ぐ必要があります。

コミュニケーションの図
また、障害があることで人とのコミュニケーションがとれにくくなることが多いため、そのままにしておくと引きこもりになったりしますし、運動療法などにも取り組む意欲が失われてしまうことにもなります。そうなってしまうと、より回復に時間がかかることになり、最悪の場合は、寝たきりにもなってしまう可能性もあります。

いずれにしましても、特に脳梗塞の場合、少しの回復であっても時間がかかることを本人や周囲が理解し、長期戦で身体と心のリハビリテーションに取り組むことが大切です。



脳梗塞のリハビリテーション編
― 脳梗塞の治療法―

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監修

正門 由久 氏

正門 由久 氏

<リハビリテーション科専門医>
東海大学医学部 専門診療学系 リハビリテーション科学 教授

昭和31年生まれ

昭和57年慶應義塾大学医学部卒業
リハビリテーション医学会専門医、
指導医、認定臨床医
日本臨床神経生理学会認定医
(神経伝導・筋電図、脳波)
米国神経筋電気診断医学会
(専門医、正会員)