知っておきたい!対処方法
~腰椎椎間板ヘルニアのリハビリテーション~

あるべき場所から臓器が『脱出』するのが「ヘルニア」

ヘルニアを正確に知っている人は少ないかも知れません。

腰椎椎間板ヘルニアのリハビリテーション編

(2)腰はヘルニアが出やすい部位の1つ

椎間板画像

椎骨と椎骨の間にあるのが「椎間板」

ヘルニアが起こる原因はいろいろありますが、代表的なものとしては、例えば、交通事故や高いところからの落下といったように外部から体内に強い力がかかったことによるものがあります。

また、金属でも長い時間がかかると弱くなる、いわゆる『経年劣化』が起こりますが、腰なども同じで、元々、腰は上半身の重力を支えているため丈夫な構造になっています。しかし、長年の酷使などによって次第に弱まってしまうと、ちょっとの無理でバランスが崩れ、臓器の位置がずれて痛みを発するようになることがあります。これが、いわゆる「腰椎椎間板ヘルニア」です。なお、腰にヘルニアが出る場合、ほとんどが「椎間板」が原因となっています。

もともと背骨は、複雑な動きができるように数多くの細かい骨(椎骨)が連なってできています。骨自体は固いもののため、それらをスムーズに動かせるように椎骨と椎骨同士の間にはゴムのように柔らかく平べったい楕円形をした「椎間板」があります。脊椎生物は、椎間板が変形することで、背骨を曲げたり伸ばしたりできるわけです。

ちなみに体内には、腰以外にも弱い部分や酷使しやすい部分があります。そうしたところにはヘルニアが出やすく、代表的なものとしては、首や鼠径、腰、臍、横隔膜などがあります。一方、脱出しやすい臓器としては、固定の力が弱い胃腸などの消化器系が挙げられます。

なお、椎間板ヘルニアになると、だいたいは強烈な痛みを発生ますが、まれに徐々に痛みを発するものもあります。

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― あるべき場所から臓器が『脱出』するのが「ヘルニア」 ―

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監修

石橋 徹 氏

圓尾 圭史 氏

<整形外科医>
兵庫医科大学
整形外科 助教

<略歴>
・兵庫医大卒業 同大学整形外科入局)
・兵庫医科大学 大学院卒業(2006年卒業)
・宝塚市立病院
・兵庫医科大学助教
・サンフランシスコカリフォルニア大学(UCSF) クリニカルリサーチフェロー
・兵庫医科大学助教